2013年02月05日

あなたが噛んだ小指

先週の金曜日、仕事をしていて、IMG_2946.JPG
右手が何かに触れた途端、小指に激痛が走った。
一瞬、何が起こったのかがわからなかったが、
どうやら小指の内部から痛みが来る。
外傷は何もなく、ぶつけた等の記憶もない。
しかし触ると激痛が…ひどくならないうちに、
処置をしてもらった方が良いと判断した。

ネットで検索して、高田馬場の皮膚科を探す飛び込みで診察を受けるのは、久しぶり。
陽性者の僕をどう扱ってくれるかが、気になる。

問診票には、糖尿病などの持病と感染症課にかかっていることを書いた。
受付の人がどう反応するかがわからないから。
医師に呼ばれ、処置室に入る。
「どうなさいましたか」と決まり文句。
「右手の小指が急に痛むんです」
さっと手袋を出して、僕の指に触れ、痛みの箇所を確認した。
その姿がごく自然だったので、
「一応お伝えしますが、HIVに感染しています」
医師は顔色ひとつ変えずに、診察を続けた。
結局、原因はわからず、ゲンタシンを出された。
「様子を見ましょう」とのことだった。

ここまで行くと、聞いてみたくなる。
帰り際「先生のところでは、HIV陽性者を普通に診てくれますか?」
「HIV陽性者は経験ないし、皮膚の表面だったらね。奥の深いところは…」と口を濁した。
マスク越しの顔は、焦りの色が見え、赤らんでいた。
やっぱり…とがっかりする。
あの手袋は、自然な防御だった。医師としては当然だと思う。
でもそれ以上でもそれ以下でもなかった。

まあ、こうしてHIV陽性者が存在することを知らせることが、
意義があると思っている。
まだまだ道のりは長いと感じた。

ところで今日、透析病院の皮膚科を受診。
「外傷もないのに、塗り薬は…ねぇ」と言われた。
やっぱりあの皮膚科はもう通わない。
お蔭さまで、だいぶ良くなりました。
明日、ボウリングができそうです。
(画像は、だいぶ引いたけれど、まだ腫れている小指)
posted by いく at 01:51| Comment(0) | +@…陽性者の視点から | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年11月30日

たぶん僕も映ります。

12月1日のBS朝日18:00〜18:30、ぷれいす東京が取材を受けた番組がON AIRされます。翌日再放送もあり。もしよろしければご覧ください。http://www.bs-asahi.co.jp/genba/
posted by いく at 02:09| Comment(3) | +@…陽性者の視点から | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年11月29日

「第26回日本エイズ学会」  

日本エイズ学会、僕は第20回の東京の時が初参加である。
前年熊本学会の頃、ボランティアにはかかわっていたが、
学会はとても敷居が高く、参加できるものだとは思ってなかった。
初参加のときのドキドキした感覚は、今でも心の奥に残っている。

「たんぽぽ」.jpgどの学会に参加しても、何らかの違和感を感じる。
Aのセッションで話していることと、Bのそれが全く違う方向を示していたりする。
同じような事柄を研究しても、考え方や方法、見る角度で全く違う。
陽性者として…とか、生活者として見ていることが僕は多い。
最初は、ただ聞いていただけだった。
2回目以降は、結構大胆に質問や疑問を投げかけたりもする。
今回は1回だけ…僕がかかわったプロジェクト「たんぽぽ」で、質問した。
その出来上がりは満足の行っているものだけれど、
出来上がるまでの道のりは、並大抵のものじゃなかった。
もう出来上がらないのではないかと感じたことすらあった。
月日が流れると、良い思い出や楽しいこと、成果だけが残る。
仕事の成果としてはそれで十分なのだが、
そこでの苦労を分かち合ったり、伝えておかないと、忘れてしまうのである。
そして同じ苦労をする。そんな思いで問いかけた。

前回の学会から、自主検査より医療者の積極的な介入という方法が見えてきたり、
針刺し事故以外の予防服薬の話が出てきたり、
郵送やネットで申し込めるキットの話や、
口腔内粘膜で検査をするキットの話だったり、
あるいは新薬の話、合剤やより副作用の少ない薬の話。
メンタルヘルスや薬物、様々なアディクションの話。
各分野で激論が交わされている。

感染不安の電話相談を受けていて、
陽性者のサポートを現場でしていると、
感染がわかってから、死に至るイメージのままで、苦しんでいたり、
陽性と分かった瞬間に、診療を拒否されてしまう例。
会社を首になったり、病名を公表してなかなか就職ができない事実。
サポートの手が届かない場面に遭遇する。学会では触れられることは少ない。

学会に来ていると、医師も看護師も行政の方も、陽性者も、NPOの人たちも、
参加しているみんなが、精一杯頑張っていると感じる。
そしてそれはたぶんとても大切なことなのだろうと思う。
でも病院、医師、看護師、医療従事者の中には、
HIVを怖がっている人たちがいることを僕は知っている。
HIVを毛嫌いしている人たちも僕は知っている。
勿論、世間を構成している人たちにもそういう人々は大勢いる。
そこを何とかしないと、HIVを取り巻く環境は変わらないのではないか。
それは陽性者一人一人がすることだろうか。
せめて専門家という人たちにもう一度見つめてもらいたい。
社会の中で、理解を深めていく協力をして欲しい。
posted by いく at 02:31| Comment(0) | +@…陽性者の視点から | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする