2019年07月12日

「想定されていない」僕らにできること

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第二回期日の報告会の一コマ(撮影:Ken Suzukiさん)

7/7東京地方裁判所第103号法廷で、「結婚の自由をすべての人に訴訟(同性婚訴訟)」の第二回期日に原告として参加した。15時に開廷して、40分間かかった。その後、報告会を1時間して、地元の駅に着いた時には体力が限界になり、フラフラになって、やっとの思いで自宅に到着。3時間爆睡した。ずーっと平行線の会話を聞いていることほど精神的に疲れることはない。

第一回期日で小野春さんと僕が意見陳述をした。今回は国側の回答が出た。反論してくることは想定していたが、反論よりもひどい「無視」という対応だった。前回の国側の代理人はとても張り切って、原告に対抗するぞという雰囲気を醸し出していた女性だった。とても手ごわそうだった。しかしその女性が、第二回期日では姿を見せなかった。あの攻撃的な態度で、反論してくると思っていたから、少し拍子抜けをした。だが交代した若い男性の態度は、僕の想像を超えるものであった。

国側の主張は、「日本国憲法が制定されたときに、憲法第24条に『婚姻は、両性の合意のみに基づいて成立』と書かれていて、両性とは男女のことを指していることは明白だ。同性婚は想定されていない」だった。それは最もなことだと思う。当時はまだ同性愛は病気とされていたし、異常とさえ思われていた時代の話だからだ。

しかしその後がすごかった。「それでは憲法第24条は同性婚を禁止していますか?」との原告弁護団の問いに「想定していません」と答え、「それでは憲法第24条は同性婚を禁止していないんですね?」の問いにも、「想定していません」と続けた。さらに様々な形でくずそうとした原告弁護団の言葉に、「先ほど述べたとおりです」とか「想定していません」を繰り返した。まるで壊れたテープレコーダーだ。

本国が同性愛者に対して迫害をしていることを理由に、難民の受け入れを認めた例を提示しても、「担当部署が異なるため、この場で私から申し上げることではない」との回答。ばかにしている。

原告弁護団も熱く語ってくれたが、暖簾に腕押し状態。「同性婚は想定していない」ではなく、「同性婚を認めて欲しい」と訴えている同性愛者も存在していないと言われているようだった。世界的に同性婚を認められている現状に照らしても、オリンピック憲章に基づいて、オリンピックを開催する国としても恥ずかしい。

全国の自治体では、同性パートナーシップ制度が続々と認められる中で、同性愛者を無視し、全く議論をしない態度は許せない。日本はこのままでいいのだろうか。真摯に議論ができない国は腐敗していく。未来が見えるために僕は何ができるのだろうか。参院選は、はっきりと「同性婚」や「選択的夫婦別姓」を認めようとしている政党や候補者に投票しようと固く決意した。

Marriage For All Japan 第二回期日の報告
http://marriageforall.jp/blog/20190710/
HUFFPOST 
https://www.huffingtonpost.jp/entry/marriage-for-all-tokyo-second-oral-argument_jp_5d2322d8e4b0f31256871626
BuzzFeedNews
https://www.buzzfeed.com/jp/saoriibuki/marriage-for-all04
posted by いく at 08:43| Comment(0) | 同性婚訴訟 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年04月23日

意見陳述(結婚の自由をすべての人に訴訟)

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4/15東京地方裁判所第103号法廷で、「結婚の自由をすべての人に訴訟(同性婚訴訟)」の原告として意見陳謝をした。
自分が法廷に立つ日が来るなんて、思ってもみなかったが、この歴史的な裁判の一員になれたことは、とても光栄に思う。応援してくれる人や関心の高さからか、傍聴席は抽選になり、満席だった。
冒頭、メディアの取材が入り、2分間映像を撮った。さぁこれからというタイミングで、法廷内が静まり返り、ただただ時間を待った。2分間は思いの外長い。そして緊張感を煽る。報告会でも話したが、僕はこの時が一番緊張した。
裁判長の第一印象は、手強そう。僕はトップで話すので、気を引き締めた。
いくつかの段取りが済むと、早速僕の番となった。原告席の椅子とテーブルの位置が狭く、証言台に行くのに苦労した。どう振る舞って良いのかがわからなかったので、何となく傍聴席と裁判長に向けて会釈した。

(意見陳謝全文はサイトでご確認ください) ※call 4 訴訟資料の中にあります
100人以上の視線と気持ちが、僕の言葉に集中していることを感じた。弁護団と打合せをして、練った文章だが、ゆっくりと大きな声で話すことだけを心がけた。5分以内という制約があったが、それを気にすると、早口になると思い、頭から消した。それらのことに集中したので、自分でも驚くほど穏やかな気持ちで始められた。
読み始めると、裁判長の視線が、僕に向けられていることを感じる。犯罪裁判などで、判決が出た後、裁判長がこれからの人生について、心温まる言葉をかけるシーンがあるが、その時と同じような、温かいまなざしを感じた。
そして裁判長のオープンマインドにも後押しされたが、その場にいる原告の仲間たち、弁護団のみなさん、傍聴席にいる人たち、また全国で祈ってくれている人たちの、温かいエールを心の中で感じていたせいか、手が震えることもなく、無事に読み終えたのである。

席に戻って、今日登場するもう一人の原告、小野春さんの陳述が始まる。集中していたので、気づかなかったが、傍聴席のあちらこちらからすすり泣きが聞こえた。今こうして前に立っているが、過去には悲しい経験やつらい経験をしている。同性の婚姻を認めて欲しいと思う一方で、社会に根強くある差別・偏見を少しでも少なくしたいという思いがあるから、原告になった。意見陳述にはそれぞれのカップルの経験してきた思いが詰まっている。たぶんあの場にいた人たちは、意見陳述と自分の経験を重ね合わせていたのだと思う。
弁護士の言葉も、胸にぐっときた。加藤弁護士の「友人のゲイ男性も自ら命を絶ちました」のところと、中川弁護士の「国は、この裁判でどんな「理由」を持ち出すのでしょうか。しかし、国がどんな理由をくり出しても、そのたびに、社会と世界の現実がたちはだかります。その矛盾に立ち往生するはずです。合理的な説明などできないことは、世界の国々で証明され、決着済みです。それでも国は争い続けるのか。もしそうなら、「同性を愛するものと異性を愛する者は、人として序列がある。だから、差別し人権を否定する」そう言わざるを得ないのです。しかし、憲法はそんな主張を絶対に許しません。」の言葉には、涙なくして聞けなかった。

まだまだ始まったばかり、これかも応援をしていただけると嬉しいです。

BuzzFeed News
丁寧な記事です。
posted by いく at 03:05| Comment(0) | 同性婚訴訟 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする